【2019年 第62回スワンステークス】特徴まとめ
スワンステークスは、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場の芝1,400mを舞台に開催している中央競馬の重賞競走。正賞は毎日放送賞で、競馬番組表では「毎日放送賞 スワンステークス」(まいにちほうそうしょう スワンステークス)と表記されている。スワンステークスの寄贈賞を提供している毎日放送は、大阪府大阪市北区に本社を置く放送局である。
競走名の「スワン(Swan)」とは、白鳥を意味する英単語であり、京都競馬場のスタンドの名称(ビッグスワン、グランドスワン)にも使用されている。
スワンステークスは、1958年に、5歳(現4歳)以上の競走馬によるハンデキャップ競走として創設された重賞競走である。創設当初は京都競馬場の芝1,800mで春季に開催されていた。その後、1961年に負担重量が別定に、1972年以降芝1,600m(外回り)に変更された。
1959年は「皇太子殿下御成婚祝賀競走」の副称付きで施行され、1965年に名称が「関西テレビ放送賞 スワンステークス」に変更された。1984年にグレード制が施行されたことによりGIIに格付けされ、名称が「スワンステークス」に戻された。
また、この年は番組改革により、スワンステークスは4歳(現3歳)にも開放されると同時に、開催時期が春から10月下旬に繰り下げられ、距離が芝1,400m(外回り)に短縮された。また、この番組改革によりスワンステークスは、11月に開催されるマイルチャンピオンシップの前哨戦として位置づけられた。
2000年に名称が「毎日放送賞 スワンステークス」に改められ、翌2001年に馬齢表示が国際基準へ変更されたことに伴い、出走資格が「3歳以上」となった。2007年には日本のパートⅠ国昇格となった。
2014年より、スワンステークスの1着馬にマイルチャンピオンシップの優先出走権が付与されるようになった。
外国産馬は1984年、地方競馬所属の競走馬は1995年、外国調教馬は1998年から出走可能となった。マイルチャンピオンシップのステップ競争に指定されていることから、出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められ、地方競馬所属の競走馬はスワンステークスで2着以内の成績を収めた競走馬にマイルチャンピオンシップの優先出走権が付与される。
【2019年 第62回スワンステークス】コースの特徴
スワンステークスのコースの特徴を見てみよう。スワンステークスのコースは、スタート地点から3コーナーまで十分な距離があり、向上面に上り坂があることから、前半のペースはゆったりと流れやすいという特徴がある。
スワンステークスのコースの特徴として、前半が楽である分、3コーナー進入後の急な下り坂からペースアップして、平坦な直線にかけて長く脚を使うことが要求される。
京都競馬場の芝は、内回りコースと外回りコースがあり、移動柵もA~Dコースまでとれることから、終始インコースの良い状態が続く。スプリントレースにも対応できるくらいのスピードの持続力が要求されやすくなっている。
【2019年 第62回スワンステークス】過去10レースの優勝馬
続いてはスワンステークスの過去10年の優勝馬を見ていこう。
回数 | 開催日 | 距離 | 馬名 | 性齢 | 人気 | タイム |
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第52回 | 2009年10月31日 | 1400m | キンシャサノキセキ | 牡6 | 4 | 1:20.3 |
第53回 | 2010年10月30日 | 1400m | マルカフェニックス | 牡6 | 3 | 1:21.0 |
第54回 | 2011年10月29日 | 1400m | リディル | 牡4 | 1 | 1:19.4 |
第55回 | 2012年10月27日 | 1400m | グランプリボス | 牡4 | 3 | 1:20.5 |
第56回 | 2013年10月26日 | 1400m | コパノリチャード | 牡3 | 8 | 1:20.8 |
第57回 | 2014年11月1日 | 1400m | ミッキーアイル | 牡3 | 1 | 1:20.3 |
第58回 | 2015年10月31日 | 1400m | アルビアーノ | 牡3 | 2 | 1:20.2 |
第59回 | 2016年10月29日 | 1400m | サトノアラジン | 牡5 | 2 | 1:20.7 |
第60回 | 2017年10月28日 | 1400m | サングレーザー | 牡3 | 2 | 1:22.4 |
第61回 | 2018年10月27日 | 1400m | ロードクエスト | 牡5 | 2 | 1:21.5 |
【2019年 第62回スワンステークス】レース傾向
スワンステークスのレース傾向を紐解いていこう。3連単が発売されるようになった2004年から2013年までの計10回の開催のうち、8回の開催で3連単の配当が10万円を超えており、波乱の決着が目立っていた。その後2014年は7,020円、2015年は12,830円という決着が続いていたが、2016年には再び110,840円という高額配当が飛び出している。
2017年に発表されたデータを見てみると、過去10年の開催における優勝馬のうち2011年の優勝馬リディルを除いた9頭は、枠番が「6~8枠」であった。しかも、「6~8枠」に入った競走馬の3着内率は27.9%と好走率が比較的高くなっている。このことから、スワンステークスは外枠優勢という傾向であると言える。
また、過去10年の開催で3着以内に入った競走馬のべ30頭のうち25頭は、馬年齢が「5歳以下」だった。「5歳以下の競走馬」の3着内率を見てみると、「6歳以上」の競走馬の3着内率が8.8%であるのに対し、「5歳以下」の3着内率は24.5%と大きく上回っていた。これに加え、「6歳以上」の競走馬で優勝したのは2010年の優勝馬マルカフェニックスが最後となっているため、5歳以下の競走馬が中心と言う傾向であることも確かだ。
近年のスワンステークスでは先行力の高さもキーとなっており、過去5年の開催における出走馬において、前走の4コーナー通過順別に見てみると、「2番手以内」だった競走馬の3着内率が50%と優秀な成績を収めていた。