【2019年 第14回キーンランドカップ】特徴まとめ
キーンランドカップ(Keeneland Cap)は、日本中央競馬会(JRA)が札幌競馬場の芝1,200mを舞台に開催している中央競馬の重賞競走。競走名の「キーンランド(Keeneland)」とは、アメリカ合衆国のケンタッキー州レキシントンにある馬産地であり、キーンランド競馬場も所在する。
キーンランドカップは、1996年に4歳(現3歳)以上の競走馬限定のオープン特別競走として創設。当時は札幌競馬場の芝1,000mで開催された。
その後競走条件や距離の変更を経て、2006年に年間を通じた単距離路線の整備が施されたことに伴い、キーンランドカップはGIIIに格付された。同時にJRAが夏季競馬を盛り上げる目的で設けた「サマースプリントシリーズ」の第4戦(2012年からは第5戦)に指定された。
第1回より外国産馬が出走可能であることに加え、指定交流競走として地方競馬に所属する競走馬もスプリンターズステークスの出走候補馬3頭に優先出走の資格が与えられた。2009年より国際競争に指定されたことに伴い、外国馬も出走可能となった。
キーンランドカップは、スプリンターズステークスのステップ競争に指定されており、前述とおり地方競馬所属馬は3等まで優先出走が認められている。2014年からはキーンランドカップの1着馬にもスプリンターズステークスへの優先出走権が付与されることになった。
またキーンランドカップは、「サマースプリントシリーズ」のシリーズ優勝を目標とする競走馬にとっても重要な競走とされており、キーンランドカップからは2010年の優勝馬ワンカラットと2012年の優勝馬パドトロワがシリーズチャンピオンとなっている
キーンランドカップの負担重量は別定で3歳53kg、4歳以上56kg、牝馬2kg減と設定されている。正賞はキーンランド協会賞と札幌馬主協会会長賞。
【2019年 第14回キーンランドカップ】コースの特徴
キーンランドカップのコースの特徴を見ていこう。キーンランドカップのコースは2コーナー奥のポケットからのスタートとなり、3コーナーまでの距離が約400mとなっている。
スタートからゴールまでがほぼ平坦になっていて、コーナーはカーブがきつくなく回りやすいという特徴を持っている。
キーンランドカップのコースの直線距離は269.1m(Cコース使用時)で函館競馬場に次いで短いが、コース構造により枠の有利不利に一定の傾向がなく、展開と馬場次第で傾向が変わるという特徴的なコースになっている。
キーンランドカップのコースは、良馬場であればダッシュ力とスピードを持続する能力、タフな馬場であれば3~4コーナーからラストまでスピードを伸ばす能力が競走馬に要求されることとなる。
【2019年 第14回キーンランドカップ】過去10年の優勝馬
続いてはキーンランドカップの過去10年の優勝馬を見ていこう。2013年のみ函館競馬場の芝1,200mでの開催となる
回数 | 開催日 | 距離 | 馬名 | 性齢 | 人気 | タイム |
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第4回 | 2009年8月30日 | 1200m | ビービーガルダン | 牝5 | 2 | 1:34.4 |
第5回 | 2010年8月29日 | 1200m | ワンカラット | 牝4 | 2 | 1:34.5 |
第6回 | 2011年8月28日 | 1200m | カレンチャン | 牝4 | 1 | 1:33.8 |
第7回 | 2012年8月26日 | 1200m | パドトロワ | 牡5 | 3 | R 1:33.5 |
第8回 | 2013年8月25日 | 1200m | フォーエバーマーク | 牝5 | 4 | 1:34.5 |
第9回 | 2014年8月31日 | 1200m | ローブティサージュ | 牝4 | 3 | R 1:33.4 |
第10回 | 2015年8月30日 | 1200m | ウキヨノカゼ | 牝5 | 8 | 1:33.8 |
第11回 | 2016年8月28日 | 1200m | ブランボヌール | 牝3 | 2 | 1:34.3 |
第12回 | 2017年8月27日 | 1200m | エポワス | セ9 | 12 | 1:34.6 |
第13回 | 2018年8月26日 | 1200m | ナックビーナス/td> | 牝5 | 1 | 1:09.4 |
【2019年 第14回キーンランドカップ】レース傾向
キーンランドカップのレース傾向を紐解いていこう。キーンランドカップでは、サマースプリントシリーズ対象レースでの実績が重要視される傾向にある。2007年から2016年の開催において3着以内に入った競走馬30頭の内の17頭は、「前年もしくは同年のサマースプリントシリーズ対象レース」で連対経験のある競走馬であることがわかっている。しかも、該当馬は3着内率が48.6%をマークしている。
キーンランドカップでは、2008年の優勝馬タニノマティーニを除いて、毎年5歳以下の競走馬が優勝する傾向にあり、基本的に若い競走馬が強いレースと言える。2010年以降に限ると、6歳以上の3着以内に入った例がまったくない。キーンランドカップにおいて6歳以上の競走馬が上位争いに食い込む可能性は極めて低いと見て良さそうだ。また、キーンランドカップは前走好走馬が優勢と言う傾向にもあり、2009年から2016年において3着以内に入った競走馬21頭中15頭は、前走の着順が3着以内だった。
キーンランドカップは下半期のビッグレースへと繋がる前哨戦であると同時に、終盤を迎えたサマーシリーズの行方を占う重要な一戦となっていて目が離せない。