【2019年 第44回エリザベス女王杯】特徴まとめ
エリザベス女王杯(エリザベスじょおうはい)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場の芝2,200mで開催している中央競馬の重賞競走。正賞はエリザベス女王杯、京都府知事賞、日本馬主協会連合会会長賞。
エリザベス女王杯は、1970年から1975年にかけて京都競馬場の芝2,400mで開催していた4歳(現3歳)牝馬限定の重賞競走「ビクトリアカップ」前身としており、中央競馬における4歳牝馬三冠競走の最終戦とされていた。
1975年にエリザベス2世が来日。これを記念して翌1976年に「エリザベス女王杯」が創設された。距離や競走条件はビクトリアカップを踏襲しているものの、回次は新たに第1回とされた。創設から1995年までは京都競馬場の芝2,400mにて4歳牝馬限定競走として開催していた。
1996年に牝馬競走体系が見直され、エリザベス女王杯の競争条件が「4歳牝馬」から「4歳以上牝馬」に変更され、距離も芝2,200mに短縮された、また同年よりエリザベス女王杯に代わる4歳牝馬三冠の最終戦として「秋華賞」が新設。これにより、エリザベス女王杯は牝馬三冠路線を歩んできた4歳牝馬と古馬牝馬の実績馬が集い、女王を争うレースへと発展した。
2008年にジャパン・オータムインターナショナルに指定され、2012年に英国王室と縁の深い関係を持つレースという観点から、一般的にイギリス連邦以外では許可されないエリザベス女王即位60年記念「ダイヤモンドジュビリー」を日本で開催することについて特別に許可が下りた。これによりこの年は「エリザベス女王即位60年記念」の副題が付けられた。
またエリザベス女王の欧文表記も、バッキンガム宮殿から特別の許可が下りたことから、従来の「Queen Elizabeth Ⅱ Commemorative Cup」から2013年より「Queen Elizabeth Ⅱ Cup」に変更された。
1995年から指定交流競走として開催され、所定の成績を挙げた地方競馬所属の競走馬の出走が認められるようになり、1999年に国際競走に指定されて外国調教馬も出走が可能となった。
【2019年 第44回エリザベス女王杯】コースの特徴
エリザベス女王杯のコースの特徴を見ていこう。エリザベス女王杯のコースはスタート地点から1コーナーまでの距離が約400mもあり、1コーナーまでに円滑にポジションが決まることが多く、決まった隊列のまま淡々と流れやすいという特徴がある。
3コーナーの下り坂付近からペースが上がり、直線は平坦となっている。一瞬の脚を要求されるレースよりも、後半にて長く脚を使い続けることが要求されるレースになりやすいという特徴を持っている。
京都競馬場の芝は移動柵がA~Dコースまで取れることから、良好なコンディションが保たれやすく、終始インコースの良い状態が続きやすい。クラシックレースやジャパンカップとは異なる距離とコースで、独特の適性が問われる舞台であり、この距離を得意とする【2,200m巧者】が実績を持つ競走馬を負かすというのも、エリザベス女王杯のコースの特徴である。
【2019年 第44回エリザベス女王杯】過去10年の優勝馬
続いてはエリザベス女王杯の過去10年の優勝馬を見ていこう。
回数 | 開催日 | 距離 | 馬名 | 性齢 | 人気 | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|
第34回 | 2009年11月15日 | 2200m | クイーンスプマンテ | 牝5 | 11 | 2:13.6 |
第35回 | 2010年11月14日 | 2200m | スノーフェアリー | 牝3 | 4 | 2:12.5 |
第36回 | 2011年11月13日 | 2200m | スノーフェアリー | 牝4 | 1 | 2:11.6 |
第37回 | 2012年11月11日 | 2200m | レインボーダリア | 牝5 | 7 | 2:16.3 |
第38回 | 2013年11月10日 | 2200m | メイショウマンボ | 牝3 | 2 | 2:16.6 |
第39回 | 2014年11月16日 | 2200m | ラキシス | 牝4 | 3 | 2:12.3 |
第40回 | 2015年11月15日 | 2200m | マリアライト | 牝4 | 6 | 2:14.9 |
第41回 | 2016年11月13日 | 2200m | クイーンズリング | 牝4 | 3 | 2:12.9 |
第42回 | 2017年11月12日 | 2200m | モズカッチャン | 牝3 | 5 | 2:14.3 |
第43回 | 2018年11月11日 | 2200m | リスグラシュー | 牝4 | 3 | 2:13.1 |
【2019年 第44回エリザベス女王杯】レース傾向
エリザベス女王杯のレース傾向を紐解いていこう。エリザベス女王杯では、すでにタイトルを獲得している実績馬と、初タイトルを目指す競走馬が激突する一戦で、過去10年の開催のうち6回で単勝6番人気以下の競走馬が2着以内に入っている。2016年は府中牝馬ステークスの優勝馬クイーンズリングが連勝したが、2着には12番人気のシングウィズジョイが入った。伏兵馬の台頭にも注目したいところだ。
2017年に発表されたデータを見てみると、過去10年の開催にて3歳馬の連対率が17%と最高値で、4歳馬が12.7%と続いており、3歳~4歳の競走馬が好走する傾向にある。その一方で、5歳以上の競走馬が苦戦傾向で、5歳馬の優勝歴は2009年のクィーンスプマンテと2012年のレインボーダリアの2頭のみ。
また、エリザベス女王杯では馬番別の成績にも特徴があり、過去10年の優勝馬のうち6頭が「1~8番」、2着馬の10頭のうち8頭が「9~18盤」、3着馬のうち7頭が「1~8番」となっている。