【2018年 第66回 府中牝馬ステークス】特徴まとめ
府中牝馬ステークス(ふちゅうひんばステークス)は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場の芝1,800mを舞台に開催している中央競馬の重賞競走。競馬番組表では「アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス」(アイルランドトロフィーふちゅうひんばステークス)と表記されている。正賞は府中市長賞、レパーズタウン競馬場賞。
府中牝馬ステークスは、1953年に4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走として「東京牝馬特別」(とうきょうひんばとくべつ)が創設された。当時は東京競馬場の芝2,000mのハンデキャップ競走として施行されていた。その後「東京タイムズ杯 東京牝馬特別」、「東京タイムズ杯 牝馬特別」、「牝馬東京タイムズ杯」と変更され、1992年に現行の「府中牝馬ステークス」に変更された。また、この変更の間の1984年にグレード制が施行され、GIIIに格付けされている。
府中牝馬ステークスは前述のとおり、創設当時は芝2,000mのハンデキャップ競走とされていたが、1955年に芝1,600mに短縮され、1969年に別定に変更された。1996年にエリザベス情報杯が古馬にも解放されたことに伴い4歳(現3歳)以上の牝馬限定戦に改められると、府中牝馬ステークスの距離が芝1,800mに延長され、エリザベス女王杯の重要な前哨戦として位置づけられることとなった。2014年からは、府中牝馬ステークスの優勝馬にエリザベス女王杯の優先出走権が与えられている。
2017年に日本とアイルランドの外交樹立60周年を記念し、「アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス」に名称が変更された。
外国産馬は1994年、地方競馬所属の競走馬は1996年、外国調教馬は2005年より出走可能となった。
【2018年 第66回 府中牝馬ステークス】コースの特徴
府中牝馬ステークスのコースの特徴を見てみよう。府中牝馬ステークスのコースは2コースに向かって斜めにスタートするというレイアウトになっている。2コースまでの距離が短いことから、外目を通らされると不利になるという特徴がある。
府中牝馬ステークスのコースの特徴として、向上面半ばに上り坂があり、そこから3コースにmかけて下り坂がある。距離525.9mの直線に向いてすぐに約160mの上り坂(高低差2m)がある、その後の300mはほぼ平坦となっている。
前半はゆったりと流れることから、上がり勝負となりやすい。最初の2コースでうまく流れに乗れる器用さがあり、直線に末脚を温存できるタイプが好走しやすくなっている。芝1,800mはJRAのGIレースが行われない距離であり、独特の適性が要求されることから、器用に立ち回れる“1,800m巧者”が実績馬を任す傾向にある。
【2018年 第66回 府中牝馬ステークス】過去10年の優勝馬
続いてはサウジアラビアロイヤルカップの過去10年の優勝馬を見ていこう。2014年以前の優勝馬は前身にあたる「いちょうステークス」の優勝馬である。
回数 | 開催日 | 距離 | 馬名 | 性齢 | 人気 | タイム |
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第56回 | 2008年10月19日 | 1800m | ブルーメンブラット | 牝5 | 4 | 1:45.5 |
第57回 | 2009年10月18日 | 1800m | ムードインディゴ | 牝4 | 7 | 1:44.6 |
第58回 | 2010年10月17日 | 1800m | テイエムオーロラ | 牝4 | 4 | 1:46.4 |
第59回 | 2011年10月16日 | 1800m | イタリアンレッド | 牝5 | 5 | 1:46.8 |
第60回 | 2012年10月13日 | 1800m | マイネイサベル | 牝4 | 10 | 1:45.5 |
第61回 | 2013年10月14日 | 1800m | ホエールキャプチャ | 牝5 | 4 | 1:48.8 |
第62回 | 2014年10月18日 | 1800m | ディアデラマドレ | 牝4 | 4 | 1:45.7 |
第63回 | 2015年10月17日 | 1800m | ノボリディアーナ | 牝5 | 11 | 1:46.3 |
第64回 | 2016年10月15日 | 1800m | クイーンズリング | 牝4 | 3 | 1:46.6 |
第65回 | 2017年10月14日 | 1800m | クロコスミア | 牝4 | 5 | 1:48.1 |
【2018年 第66回 府中牝馬ステークス】レース傾向
府中牝馬ステークスのレース傾向を紐解いていこう。2016年の優勝馬クイーンズリングが、エリザベス女王杯も優勝しており、トップクラスの牝馬たちが集まる重賞競走として、府中牝馬ステークスの価値が上昇してきている。
2017年に発表されたデータを見てみると、上位人気馬が優勢とされているが、過去10年の開催において単勝1~2番人気の競走馬が優勝した例がない。2005年に1番人気馬ヤマニンアラバスタ、2006年に2番人気馬デアリングハートが優勝しているものの、この10年では2着が最高となっている。その反面、「単勝4番人気」組の好走率が非常に高い、また下位人気組についても3着内率こそ上位人気より低いが、勝率では上回っている。
また、過去10年の府中牝馬ステークスの連対馬のべ20頭のうち19頭は4歳または5歳馬であり、府中牝馬ステークスでは古馬が好走する傾向にある。秋華賞が行われることから3歳の競走馬の参戦が少ないのは当然であるが、それにも関わらず参戦した2頭が共に3着に入っている(ちなみにこの2頭は前走が新潟競馬場で開催された条件レースで1着)。また、6歳以上の競走馬はのべ32頭が出走しているが、2着に1回、3着に2回に入ったのみで苦戦傾向にある。