【2019年 第80回菊花賞】特徴まとめ
菊花賞(きっかしょう)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場の芝3,000mを舞台に開催している中央競馬の重賞競走。正賞は内閣総理大臣賞、朝日新聞社賞、日本馬主協会連合会会長。
菊花賞は、イギリスのセントレジャーステークスに範をとり、1938年に4歳(現3歳)馬による重賞競走「京都農林省賞典四歳呼馬」(きょうとのうりんしょうしょうてんよんさいよびうま)の名称で創設され、1948年に現行の「菊花賞」に改称。菊花賞と前後して創設された横濱農林省賞典四歳呼馬(現:皐月賞)や東京優駿(日本ダービー)とともに、日本のクラシック三冠競走を確立した(これは旧八大競走にも含まれている)。
1984年にグレード制導入に伴いGI(当時はJRA独自のグレード)に格付けされ、2007年に日本のパートⅠ国昇格に伴い、格付表記がJpnIに変更された。その後2010年に国際格付のGIに変更された。2004年は「日本中央競馬会創立50周年記念」、2014年は「JRA60周年記念」の副称が付いた。
菊花賞はクラシック三冠競走(皐月賞・東京優駿・菊花賞)の最終戦として開催され、皐月賞は「最も速い競走馬」、東京優駿は「最も運のある競走馬」が勝つと呼ばれるのに対して、菊花賞はスピードとスタミナを兼ね備え、2度の坂越えと芝3,000mの長丁場を克服することが求められることから「最も強い競走馬」が勝つと言われている。
最もスタミナのある優秀な繁殖馬を選定するという観点から菊花賞の出走資格は「3歳牡馬・牝馬」とされており、せん馬(去勢馬)は出走できない。
施工場は阪神競艇場で開催された1979年を除いてすべて京都競馬場で開催されている。なお、距離設定も第1回から一貫して芝3,000mとされている。
地方競馬所属馬は1995年、外国産馬は2001年から出走可能となり、2010年からは外国調教馬も出走可能な国際競走となった。
【2019年 第80回菊花賞】コースの特徴
菊花賞のコースの特徴を見てみよう。菊花賞のコースは、向正面の上り坂の途中からのスタートで、そこからコースをほぼ1周半するレイアウトとなっている。
菊花賞のコースの特徴として、スタートしてから3コーナーまでの距離が約200mと短くなっており、3コーナーに入ってすぐのところに急な下り坂がある。外を通るとコーナーで振られることからロスとなるが、前半で無理にポジション取りを行なおうとすると、1周目の下り坂からホームストレッチにかけて折り合いをケースが多い。
京都競馬場の芝は移動柵がA~Dコースまで取れることから良好なコンディションが保たれており、終始インコースの良い状態が続きやすい。もちろんスタミナが必要なコースではあるが、距離延長に対応できる順応性、そしてインを回ることができる器用さが重要となることも多いという特徴を持っている。
【2019年 第80回菊花賞】過去10年の優勝馬
続いては菊花賞の過去10年の優勝馬を見ていこう。
回数 | 開催日 | 距離 | 馬名 | 性齢 | 人気 | タイム |
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第70回 | 2009年10月25日 | 3000m | スリーロールス | 牡3 | 8 | 3:03.5 |
第71回 | 2010年10月24日 | 3000m | ビッグウィーク | 牡3 | 7 | 3:06.1 |
第72回 | 2011年10月23日 | 3000m | オルフェーヴル | 牡3 | 1 | 3:02.8 |
第73回 | 2012年10月21日 | 3000m | ゴールドシップ | 牡3 | 1 | 3:02.9 |
第74回 | 2013年10月20日 | 3000m | エピファネイア | 牡3 | 1 | 3:05.2 |
第75回 | 2014年10月26日 | 3000m | トーホウジャッカル | 牡3 | 3 | 3:01.0 |
第76回 | 2015年10月25日 | 3000m | キタサンブラック | 牡3 | 5 | 3:03.9 |
第77回 | 2016年10月23日 | 3000m | サトノダイヤモンド | 牡3 | 1 | 3:03.9 |
第78回 | 2017年10月22日 | 3000m | キセキ | 牡3 | 1 | 3:18.9 |
第79回 | 2018年10月21日 | 3000m | フィエールマン | 牡3 | 7 | 3:06.1 |
【2019年 第80回菊花賞】レース傾向
菊花賞のレース傾向を紐解いていこう。菊花賞ではグレード制が導入された1984年以降の開催での優勝馬のうち、後のJRAの古馬のGIを制した競走馬が17頭(2017年現在)も存在する。これは3歳GI競走としては最多の数となる。
2017年に発表されたデータを見てみると、過去10年の3着以内に入った競走馬30頭のうち26頭は、前走の着順が「3着以内」となっており、3着内率26.3%を記録している。これに対し、「4着以下」の競走馬の優勝例がなく、3着内率も4.9%に留まっている。菊花賞は前走好走馬が強い傾向にあるようだ。
また、過去10年の3着以内に入った競走馬30頭のうち20頭は、前走がJRAのレースであり、そのレースでの上がり3ハロンタイム順位が「2位以内」であることもわかっている。3着内率で見てみると「3位以下」が8.8%であるのに対し、「2位以内」は30.8%と大きく上回っていた。
近年の菊花賞ではGI競走での好走経験がある競走馬が堅実という傾向もあり、過去6年の開催にて3着以内に入った競走馬18頭のうち9頭は、JRAのGI競走で3着以内に入ったことのある競走馬であった。その該当馬は3着以内56.3%と好走率も極めて優秀である。